西山真一
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最終更新日:2017年3月24日
命の躍動と胎動を描いた巨匠
西山真一
晩年「田舎の山猿がよくここまで来たもんだ」と懐古した西山真一。その人柄は、ウィスキーを飲みながら一日中庭弄りをするほどの植物好きでカラッとした陽気な性格だった。その一方、パリ留学に向けて社交ダンスを習い趣味として手品を始めるなど、堅実な福井人らしい性格も持ち合わせていたようである。
彼が本格的に画家として歩み始めたのは昭和5年に東京へ旅立ってからのことである。その道のりは平坦なものではなく、教壇に立ちながら絵の勉強を続ける日々であった。
やがて彼の挑戦は人々の心を捉え、昭和24年の日展での特選受賞を皮切りに次々と画壇を駆け登っていく。人物描写にはじまった作品は、戦後のフランス留学時代に風景画へと転身し、自然から受けた感動そのままをキャンバス上に描写した。情熱をぶつけたような荒々しくも明るい作風は今なお高い評価を得ている。
最後の作品となった「寒梅」には、太く伸びる枝葉に無数の花を咲かせた梅が描かれている。その姿は、冬という時代を耐えしのぎ春に力強く花を咲かせた“山猿”の人生をまさに象徴している。
プロフィール・受賞暦
西暦 | 年号 | 概要 |
---|---|---|
1906 | 明治39 | 福井県鯖江市(旧今立郡片上村四方谷)に生まれる |
1926 | 昭和元 | 福井県師範学校卒業 |
1931 | 昭和6 | 光風会展、初入選 帝展、初入選 |
1942 | 昭和17 | 光風会会員 |
1949 | 昭和24 | 日展、特選受賞 |
1950 | 昭和25 | 福井大学講師、昭和27年まで |
1954 | 昭和29 | 欧州留学、翌年帰国、以後3回 |
1956 | 昭和31 | 日展審査員、以後5回 「サンジャック通りの壁」、政府買い上げ |
1957 | 昭和32 | 朝日新聞社主催選抜秀作美術展に招待出品 |
1958 | 昭和33 | 日展会員 |
1960 | 昭和35 | 「谷合いの家」、政府買い上げ |
1964 | 昭和39 | 日展評議員 |
1973 | 昭和48 | 日展「トレド風景」、文部大臣賞受賞 |
1974 | 昭和49 | 光風会理事 |
1980 | 昭和55 | 「六月の頃」、日本芸術院賞受賞 |
1981 | 昭和56 | 日展理事 |
1982 | 昭和57 | 日展参事 |
1983 | 昭和58 | 勲四等旭日小綬賞受賞 |
1984 | 昭和59 | 日本芸術院会員 |
1985 | 昭和60 | 日展顧問 |
1989 | 平成元 | 4月19日、脳梗塞のため東京警察病院にて死去(82歳) 正五位勲三等瑞宝章を贈られる |
鯖江市に絵画を86点寄贈。
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