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西島 俊庵(1785-1810)

ページ番号:172-881-214

最終更新日:2017年3月24日

杉田玄白らに師事した鯖江藩医

 鯖江藩で藩医として活躍した西島家の墓石が長泉寺町の西福寺の墓地にあることはあまり知られていません(現在は新しい墓石が建立されています)。
 西島家は、周庵・俊庵・玄達・玄仲(以降、「雨宮」と改姓)・周庵と続き、代々鯖江藩の藩医でした。そのうち西島俊庵は、小笠原忠七の次男でしたが、寛政12年(1800)5月、西島家の養子に入っています。俊庵がいつ頃から医学の道を志したのかはわかっていませんが、この時、俊庵は若干15歳で藩の表医師に就任していますからさしずめ青年医師といったところでしょう。
 さて、俊庵は享和3年(1803)11月、江戸に上京、蘭学者の杉田玄白(小浜藩医)や大槻玄沢(仙台藩医)に師事しています。「間部家文書」(鯖江市まなべの館所蔵)によれば、俊庵は大槻が所蔵していた医学書をことごとく筆写したことが記録されています。そして、俊庵は文化5年(1808)には江戸千住小塚原での解剖実験に参加、有志の医師にもこれを参観させるなど幅広い活躍をしています。
 江戸遊学を終えた俊庵は、その前途を嘱望(しょくぼう)されていましたが、文化7年(1810)1月10日、24歳の若さで没しています。西福寺の墓石は門人が建てたものと伝えられています。

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