鯖江市指定文化財

えみしゃしんかんようかん
恵美写真館洋館(1棟)

国登録 
所在地 
管理者 
時代 
《文化庁》 平成10年1月16日
鯖江市本町3丁目 恵美写真館
個人
明治38年(1905)


 恵美写真館洋館

 恵美写真館は明治28年(1895)の創業で、先代の恵美善之助氏が明治30年に今立郡役場から受けた写真師鑑札も遺されている。旧北陸道の一筋東側の通りに面して現在の店舗と表門[後出7]が並び、この表門をくぐると石畳が洋館まで延びている。
 洋館は正面約5.6m、側面約7.5mの規模を有する木造寄棟造桟瓦葺<よせむねづくりさんがわらぶき>の2階建てで、前面中央に間口・奥行ともに約1.9mの入母屋造<いりもやづくり>桟瓦葺の2層の車寄せを設けている。和風に洋風を取り入れた擬洋風建築であり、車寄せ部の扇垂木の軒回り、アーチ型虹梁の絵様などは伝統的な和風の意匠である。
 特に、外観部の細部には左官仕上を用いた優れた意匠が見られ、車寄せ1・2階の開口部回りに見られる擬似大理石の手法を用いた古典主義的な装飾や玄関上部のアーチに施された鳳凰の漆喰模様等は見ごたえがある。
 写真館という当時としては新しい職業を担い、創意に富んだ左官職の技術が見事に活かされた建物であり、明治後期の木造擬洋風建築として質の高い建造物である。

 
明治期の鯖江町
 明治22年(1889)、町制が施行され、鯖江町が成立した。恵美写真館のある通りは「中小路」<なかこうじ>と呼ばれており、東小路・南小路を含めて機業家が集中していた。当時の鯖江町は福井市についで機織業の盛んな地域であった。
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