鯖江市指定文化財

きゅううりゅうけじゅうたく
旧瓜生家住宅(1棟)

指定 
所在地 
管理者 
時代 
《国指定》 昭和44年12月18日
鯖江市水落町4丁目 神明社
鯖江市
江戸時代前期

 旧瓜生家住宅

 旧瓜生家住宅は、神明社<しんめいしゃ>境内の北東隅にある県内最古級の民家である。もともと、旧北陸道の東側にあったが、昭和50年に現在地に移築された。瓜生家は神明社の宮司<ぐうじ>を代々勤めてきた家柄で、その系図は大治4年(1129)から始まっている。
 この建物は、入母屋造茅葺<いりもやづくりかやぶき>、妻入りで、桁行9間(16.4m)、梁間6間(14.7m)、建坪約65.4坪の規模を有する。外観は全体に質素な印象を受けるが、南側には2間の式台<しきだい>と4間の濡縁<ぬれえん>を設け、柿葺<こけらぶき>の庇を付けているなど、神官の住まいとしての特徴が現れている。この開放的なつくりは多くの来客者を迎えるためで、一般の民家には見られない特徴である。
 内部の間取りは、前面から奥行2間半の「土間」、奥行2間の「板の間」が並び、その奥に「中の間」・「槍掛けの間」・「部屋」・「座敷」の4室が“田”字形に配置され、左右に1間づつの入側がついている。構造的には、棟下通りに柱が立ち、梁間4間を本屋、左右1間を下屋とする単純なものであるが、二股に分かれた股柱や下部を太く削り残した柱を使用するなどの特徴も見られる。
 昭和50年の移築に伴う解体修理時に、「座敷」の天井棹縁<てんじょうさおぶち>から「元禄十二年己卯閏九月八日ニ出来致候 中之間 南」の墨書銘が発見され、同時に、礎石に亀裂や火災を受けた痕跡が認められたため、元禄初年頃に火災に遭い、旧礎石を利用して元禄12年(1699)に再建されたものであることが判明している。

元禄文化
 元禄年間(1688〜1704年)は、上方を中心に華やかな町人文化が花開いたときであった。鯖江出身とされる人形浄瑠璃・歌舞伎台本作者、近松門左衛門が活躍したのはこの時期であり、『曽根崎心中』<そねざきしんじゅう>『心中天網島 』<てんのあみしま>などの作品の中で、義理と人情との板ばさみに悩む町人の姿を描いた。
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