鯖江市指定文化財

かみこうちのうすずみざくら
上河内の薄墨桜(1本)

指定 
所在地 
管理者 
《市指定》 昭和46年7月20日
鯖江市上河内町83字
上河内町
 上河内の薄墨桜

 継体<けいたい>天皇(『日本書紀』によれば450〜531年)が上河内の山の中に桜を植えたという伝説があり、現在あるものはその孫桜といわれる。
 継体天皇は、即位前は男大迹王<おおどおう>と呼ばれ、50年以上を母の故郷である越前で過ごしたという。足羽川や九頭竜川の治水に携わったとか、越前漆器や越前和紙の開祖であるとか、笏谷石<しゃくだにいし>を採掘したなどのさまざまな伝説が残されている。中央の豪族、大伴金村<おおともかなむら>らによって迎えられ、507年に河内で天皇に即位した時、王は57歳であった。なお、継体天皇は有名な聖徳太子(574〜622年)の曾祖父にあたる。
 桜には、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、ウワミズザクラ、ヒガンザクラ、ヤマザクラなど、200〜300ほどの品種がある。上河内の薄墨桜は、バラ科サクラ属のエドヒガン(江戸彼岸)である。この種の桜は高木となり、高さ20m、直径60cmにも達するため、天然記念物に指定されるものが多い。本州、四国、九州の温帯から暖帯の林の中に生育し、春の彼岸の頃に萼の基部が壷形にふくらんだ小形の花を開く。上河内のものは幹周りが210cmであり、墨を流したように咲く薄墨桜は鯖江市内でも数少なく、貴重なものである。

粟田部<あわたべ>の薄墨桜
 継体天皇ゆかりの薄墨桜は他にも、今立町の粟田部の薄墨桜があり、これは県の天然記念物に指定されている。品種は同じくエドヒガンであり、幹周りは290cmを測る。伝説によると、男大迹王が粟田部在郷のとき、花は淡紅色で香りは四方に満ちていたが、王が都に上った後は花の色が次第に薄黒くなり、いつの頃からか薄墨桜と呼ぶようになったという。
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